商品名・サービス名のネーミングに使う
名前は、文章と違って説明を添えられません。
一語だけが読み手の前に置かれます。だから二つ目の意味は、 気づかれるか気づかれないかの、どちらかしかありません。
その条件下でダブルミーニングを使う手順を書きます。
名前では「型1(同音)」と「型3(分割)」しか使えない
文章では4つの型が使えますが、名前は語が一つしかないので入口が狭くなります。
| 型 | 名前で使えるか |
|---|---|
| 1 同音 | ◎ 主力 |
| 2 多義 | △ 語が短いと意味が確定してしまう |
| 3 分割 | ◎ 名前だけの型。切る位置で別の語が現れる |
| 4 文脈 | ✕ 名前に文脈が付かない |
逆に言えば、型3は名前づけのためにある型と考えてよいでしょう。
手順
① その事業が「読み手に何をもたらすか」を、一文で書く
→ 機能ではなく、変化を書く。「速い」ではなく「待たなくてよくなる」
② その一文から、中心になる語を1つ取る
③ 中心語を【かな】と【ローマ字】の両方に開く
→ 漢字のままだと、掛かる相手が見つからない
④ 前後に音を足す・削る・区切りを変えて、別の語が現れないか探す
⑤ 現れた候補を、下の「4つの確認」に通す
②で機能を書いてしまうと、③以降が動きません。 機能語は掛かる相手が少なく、掛かっても面白くならないからです。
通すべき4つの確認
確認1:意図しない意味が出ていないか
この型でいちばん事故が起きるところです。
・かなに開いて、前後を1音ずつずらして読む
・ローマ字にして、区切りを変えて読む
・外国語(英語・中国語・韓国語)で別の意味にならないか
→ 海外展開の予定が無くても、SNSで指摘されると回収できない
**自分では見つかりません。**文脈を知らない人に、 「この名前、何に見えますか」とだけ聞くのが確実です。
確認2:読み間違えられないか
二つ目の意味を仕込んだせいで、一つ目が読めなくなることがあります。
✕ 読みが2通りある名前
→ 電話で伝えられない・検索されない・口コミが起きない
◎ 表記を見れば読みが一つに決まり、意味だけが二つある
**名前は検索されます。**読みが割れると、それだけで指名検索が分散してしまいます。
確認3:商標として使えるか
名前を決める作業は、そのまま商標の話になります。
・すでに同一・類似の商標が登録されていないか
・そもそも登録できる名前か
→ 普通名詞をそのまま使った名前は、識別力が無いとして登録できないことがある
ダブルミーニングは、この点で有利に働くことがあります。 普通名詞に別の意味を重ねて造語にすると、識別力が出やすいからです。
具体的な可否の判断は専門家の領域です。 ここでは「決める前に調べる」というところまでにしておきます。
確認4:ドメインとアカウント名が取れるか
名前が決まってから取れないと分かると、やり直しになります。 候補が3つに絞れた時点で、先に確認してください。
二つ目の意味は「気づかれなくてよい」
名前づけで最も誤りやすい判断が、ここです。
名前の第一の仕事は、覚えられて・読めて・検索できることです。 ダブルミーニングはその上に載せる付加であって、目的ではありません。
✕ 二つ目の意味を優先して、読みにくい名前になる
◎ 読みやすい名前を先に決め、そこに意味が載るなら載せる
気づいた人にだけ届けば十分です。 気づかせようとして表記を凝った瞬間に、名前としての性能が落ちてしまいます。
まとめ
- 名前では**型1(同音)と型3(分割)**しか実質的に使えない
- 手順は「変化を一文で書く → 中心語 → かな・ローマ字に開く → ずらす」
- 通す確認は4つ。意図しない意味/読み間違い/商標/ドメイン
- **意図しない意味は自分では見つからない。**他人に「何に見えますか」と聞く
- 読みが2通りになる名前は、それだけで指名検索が分散する
- 二つ目の意味は気づかれなくてよい。名前の第一の仕事は覚えられること