ダブルミーニングを日本語で言い換えると
「ダブルミーニング」はカタカナ語ですが、同じものを指す日本語は複数あります。
問題は、どれも使われる場面が決まっていることです。 入れ替えると不自然になるので、選び分けが要ります。
言い換えの候補
| 言い換え | 使われる場面 | 硬さ |
|---|---|---|
| 二重の意味 | いちばん中立。どこでも使える | 中 |
| 掛詞(かけことば) | 和歌・古典の文脈 | 硬い |
| 懸詞 | 掛詞の別表記 | かなり硬い |
| 言葉遊び | 広い総称。技法を特定しない | 柔らかい |
| ダブルミーニング | 現代の歌詞・広告・作品 | 柔らかい |
「二重の意味」がいちばん使いやすい
技法の名前ではなく、状態の説明として使えます。 そのぶん、どんな文脈にも置けます。
◎ 「このタイトルには二重の意味がある」
◎ 「二重の意味を持たせた」
硬すぎず、砕けすぎない語です。 迷ったらこれを選べば外れません。
「掛詞」は文脈を選ぶ
技法としてはまったく同じものを指しています。 違うのは、この語が和歌の用語として定着していることです。
◎ 「この歌の掛詞は──」 自然
△ 「この広告コピーの掛詞は──」 古典の話をしているように聞こえる
現代の対象に使うと、意図しない格式が出てしまいます。 逆に言えば、格式を出したいときには使えます。
**「懸詞」は同じ語の別表記です。**さらに硬く、現代の文章ではほとんど見かけません。
「言葉遊び」は広すぎる
ダジャレ・なぞかけ・回文・アナグラム。これら全部を含む総称です。
✕ 技法を特定したいときに使う
→ 何を指しているか伝わらない
◎ ジャンルとして言及するときに使う
→ 「日本語の言葉遊びの歴史」
場面別の選び分け
| 書く場面 | 選ぶ語 |
|---|---|
| 一般向けの記事・解説 | 二重の意味 |
| 国語・古典の文脈 | 掛詞 |
| 広告・コピーの実務 | ダブルミーニング(業界で通じる) |
| 学術寄りの文章 | 掛詞/二義性 |
| ジャンル全体を指す | 言葉遊び |
近いが別物の語
言い換えとして使うと意味がずれるものを挙げておきます。
| 語 | 何が違うか |
|---|---|
| ダジャレ | 意味が両立しなくてよい。音の一致が目的 |
| なぞかけ | 二つの意味を自分で明かす。隠さない |
| 皮肉・当てこすり | 言外の意味は一つ。二重ではなく「裏がある」 |
| 多義語 | 語そのものの性質。技法ではない |
| 曖昧表現 | 意味が定まらないこと。ダブルミーニングは両方とも定まっている |
とくに最後の2つは混同されやすいところです。
多義語 … 「かける」という語が複数の意味を持つ = 素材
ダブルミーニング … その素材を使って、両方の意味を同時に成立させた = 技法
**素材と技法を区別してください。**多義語があるだけでは、ダブルミーニングになりません。
まとめ
- 迷ったら**「二重の意味」**。中立でどこでも使える
- 掛詞は同じものを指すが、和歌の文脈が強い。現代の対象に使うと格式が出る
- 言葉遊びは総称。技法を特定できない
- **多義語は素材、ダブルミーニングは技法。**混同しない
- 曖昧表現とも別物。ダブルミーニングは両方の意味が定まっている