ダブルミーニングとダブルスタンダードは別物
**まったく別のものです。**共通しているのは「ダブル」という語だけです。
ダブルミーニング … 言葉の技法。一つの言葉に二つの意味
ダブルスタンダード … 態度の問題。相手によって基準を変えること
一方は文章の書き方の話で、もう一方は倫理や公平さの話です。 分野からして違います。
それぞれが指しているもの
| ダブルミーニング | ダブルスタンダード | |
|---|---|---|
| 分野 | 修辞・言葉遊び | 倫理・公平性 |
| 何が二つあるか | 意味 | 基準(物差し) |
| 評価 | 中立〜肯定(技法として) | 否定的(批判の語) |
| 英語 | double meaning | double standard |
評価の向きが逆になっているのが、実務上いちばん効く違いです。
「ここはダブルミーニングになっている」 → 事実の指摘、または賞賛
「それはダブルスタンダードだ」 → 批判
間違えると、褒めたつもりが非難になってしまいます。
ダブルスタンダードとは
念のため書いておきます。
同じ事柄に対して、相手や場面によって違う基準を当てることをいいます。
・自分のミスは事情を説明するが、他人のミスは結果だけで判断する
・立場の弱い相手にだけ厳しい規則を適用する
二重基準(にじゅうきじゅん)とも言います。 こちらのほうが意味が伝わりやすい場面もあります。
混同されやすい「ダブル○○」
| 語 | 何を指すか |
|---|---|
| ダブルミーニング | 言葉の技法。一つの語に二つの意味 |
| ダブルスタンダード | 態度。相手によって基準を変える |
| ダブルバインド | 心理。矛盾する二つの指示で相手を身動きできなくする |
| ダブルチェック | 二人以上で確認する手順 |
| ダブルブッキング | 予定・座席の二重予約 |
ダブルバインドも混同されやすい語です。
ダブルミーニング … 二つの意味が【両立】する(読み手は好きなほうを取れる)
ダブルバインド … 二つの指示が【矛盾】する(どちらを取っても責められる)
前者は読み手に余地を渡す技法、後者は余地を奪う状態です。逆の働きをしています。
なぜ混同されるのか
「ダブル」が同じ働きをしていないからです。
ダブルミーニング … ダブル = 意味の数
ダブルスタンダード … ダブル = 基準の数
ダブルバインド … ダブル = 縛りの数
ダブルチェック … ダブル = 回数
「ダブル」の後ろに来る語が何を数えているかで、全部意味が変わります。 語頭が同じというだけで、共通の性質はありません。
まとめ
- **まったく別物。**共通しているのは「ダブル」という語だけ
- ダブルミーニングは言葉の技法、ダブルスタンダードは態度の問題
- **評価の向きが逆。**前者は中立〜肯定、後者は批判の語
- ダブルスタンダードは二重基準とも言う
- ダブルバインドとも混同されやすい。こちらは意味が矛盾する(両立しない)
- 「ダブル」が何を数えているかは語ごとに違う。語頭が同じだけ